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『砂の器』

 何回観ただろう。

 おそらくこの日記に5回は登場していると思う。
 観るたびに書く。

 そのたびに新たな発見をする。
 【ビリーワイルダー作品】がそうらしい。
 随所に仕込みがしてある(という)。

 で、今回の発見。
 まず、オープニングの砂で器を作るシーン。
 今まで日本海だと思っていた。

 な、なんと一級河川吉井川の上流清流だった。
 亀嵩駐在所の古い橋の傍。
 秀夫が遊んでいるシーンが作品中に出てくる。
 例の緒方拳夫婦が暮らしている家の前。

 次の発見。
 秀夫が長じて、加藤剛になる。
 32年後の写真をひかり館で見つける緒方拳。
 そこで秀夫が売り出し作曲家と見破る。

 「そんなこと解るわけない。」と疑って観てた。
 なんと、秀夫の左眉の上の傷が加藤剛に残っていた。

 しかもご丁寧に写真の加藤剛にだけ残っている。

 ここらあたりになると、監督と鑑賞者にのみ存在するちょっとした勝負。(笑)。

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 差別用語がぽんぽん飛び出す。
 TV放送は無理。
 
 「乞食」
 「癩病」
 「按摩」

 エンディングに
 「ハンセン病への科学的な無理会のために偏見・差別がのこされた。今は千代吉のような患者はいなくたった。」と出てくる。
 これがそもそも、間違い。
 『砂の器』が出来たのは1974年。
 そのあと、Sホテルハンセン病差別事件が起こる。
 そして、Sホテルは厳しい糾弾をうけてつぶれる。
 確かS親会社もつぶれた。

 いやしくも、人権講演会の講師を勤める者は、このあたりまでシフトしておく。

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2015年09月13日 19:16に投稿されたエントリーのページです。

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