« 『ハンナ・アーレント』 | メイン | 『鑑定人と顔のない依頼人』 »

大晦日

 『掛け取り』もだが、大晦日のネタといえばやっぱり『芝浜』。

 この功績は三代目三木助に他ならない。

 談志の『芝浜』が良いという言伝(ことづて)が通っているが、人の受け売り。もしくは素人料簡。
 談志の『芝浜』を大博多ホールの袖で聴いたが、間違いない。
 絶品に違いはなかったが、三木助の壁はアイガーのようにそそり立っている。(上手い表現だね。)

 -----------

 三木助の『芝浜』は長~い落語300年の歴史の中で群を抜いている。
 おそらく談志師匠も異存はない。

 三木助以降のどの噺家が演ったって、三木助以上の演出は越えられない。
 全員滑落。
 『芝浜』は三木助で完成している。

 ただ、それで満足するわけにいかないから、以降の噺家が挑む。
 だから、面白い。

 ここが落語の深淵(の一部)。

 今年の大みそかも、三木助の『芝浜』聴きながら酔いしれて眠る。
 日本人でよかったぁ、と思う大晦日。幸せ。

About

2013年12月31日 09:38に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「『ハンナ・アーレント』」です。

次の投稿は「『鑑定人と顔のない依頼人』」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.32