『掛け取り』もだが、大晦日のネタといえばやっぱり『芝浜』。
この功績は三代目三木助に他ならない。
談志の『芝浜』が良いという言伝(ことづて)が通っているが、人の受け売り。もしくは素人料簡。
談志の『芝浜』を大博多ホールの袖で聴いたが、間違いない。
絶品に違いはなかったが、三木助の壁はアイガーのようにそそり立っている。(上手い表現だね。)
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三木助の『芝浜』は長~い落語300年の歴史の中で群を抜いている。
おそらく談志師匠も異存はない。
三木助以降のどの噺家が演ったって、三木助以上の演出は越えられない。
全員滑落。
『芝浜』は三木助で完成している。
ただ、それで満足するわけにいかないから、以降の噺家が挑む。
だから、面白い。
ここが落語の深淵(の一部)。
今年の大みそかも、三木助の『芝浜』聴きながら酔いしれて眠る。
日本人でよかったぁ、と思う大晦日。幸せ。