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伝える難しさ

 人にモノを教えるのを職業としている。いわゆる教えるプロとして35年口糊を凌いできた。

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 そんなプロが、最近落語を伝える難しさに悩んでいる。

 勘々・勘珍・勘楽・勘也を育てている頃は、涙を流させてでも教えた。
 宿題をしてこなかったら怒った。
 体罰はしてないと思うが、それまがいで教えた。

 ところが、昨今そうは言えない状況になってきた。

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 勘楽も勘也も「本を読んで来い」と言ったら、間違いなく読んで来た。
 覚えてこいといったら、間違いなく覚えてきた。

 やってこなかったら、怒られた。
 
 結果。
 必ず上手にな演者に育てた。
 そして、本人達も上手になった喜びを味わった。

 大学生低レベル落研よりよほど上手くなった。

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 近頃はそうはいかない。
 まさか、50前後のおっさんを怒るわけにはいかない。

 それを恐れずやったのが、談志師匠。

 稽古会を泣きながら帰るのは大人は無理。

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 指示したことが通じない。
 たぶん本を読みぬく時間もなければ、指示したことが通じる柔らかな感性ももうない。

 落語は【老後を潤す趣味】と割り切るか。
 勘楽・勘也の頃のように徹底するか。
 難しい、とても難しい。

 落語を好きで、楽しみで集まってるのに、逆に生活に負担をかけている。
 
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 勘朝の神通力が通じない。
 そろそろ、指導者のバトンを渡す時期が来ている。
 
 福岡落語の灯が、小さくコンパクトに治まらなければいいのだが。

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 内浜落語会がお楽しみ互助会集団で行くか、先鋭・下手振り落とし集団で行くか。
 方向性を決めてバトンを渡さないと、渡されたものが迷惑する。
 もちろん、勘朝が目指しているのは先鋭集団。付いてこれない奴は振り落とす。
 ・・こんなこと言ってるから嫌われる。とは、わかってるけど。

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2013年06月03日 19:14に投稿されたエントリーのページです。

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