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「頭で考えるな、肌で掴め。」

 『燃えよドラゴン』で、ブルースリーが弟子の少年に教える。
 その前後にも何やら哲学的な事を言うが、忘れた。

 作品としては、たいしたことないが、当時の映画界に凄い影響を与えた。
 観た若者全部に凄い影響を与えた。

 で、今度『午前10時の映画祭』にかかってる。観たらがっかりすると思うけど、観ずにいられない。

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 「頭で考えるな」とは、知識として理解するんじゃない。ということ。
 
 そのような事柄は身の周りに溢れている。

 「正義」「親孝行」「正直」「感謝」「博愛」
 で、こういうことは伝えて理解させるものじゃない。
 そう、「肌で掴む」事柄。

 知識で「正義」の具体例を伝えることはできるかもしれない。だが、それは内面化してない。

 とても、難解な内容になるので、ここはさらりと。

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 「正義」や「正直」「親孝行」はペーパーテストで評価できる内容じゃない。

 それを試験に出すと、打算的な子どもたちに、ウソをつかせることになる。

 打算は好ましくはないが、それも人間性の一つだといえる。 
 学問・学力を受験突破の手段だと考えている子にとって、時として学校は邪魔になる。

 そういう子の正義は、試験突破で邪魔するものは全て排除。学校さえ排除する。
 道徳に評価が下されれば、必ずウソツキをつくるというパラドクスが発生する。

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 今、道徳が教科にしようと目論む連中がいる。
 「教育再生実行会議」がそれ。

 道徳を教科にすると、その教科専門の教員を育成しなければならない。
 つまり、理科の先生・音楽の先生みたいな教員。

 道徳の教員って、できんだろ普通。
 親孝行で、正直で、正義感にあふれてて、ストレートSEXで、酒も麻雀もパチンコもやらなくて、後ろめたいことが全くなくて、人の悪口言わないで、イデオロギーも中立で、異性とは24歳まで手も握らなくて、・・・・・、結婚したら律儀な週一のSEXに励んで。
 道徳の先生ってこんなイメージかなぁ。
 残念ながら粗忽家勘朝は一つしか該当しない。

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 S文部大臣が
 「『親を大事にする』など、国や時代を超えて守られるべき事柄がある。」
 と愚かな発言をしていた。
 一見まっとうそうに聞こえるが、ピントがずれてる。
 こういう人が文部大臣なんだから。

 『学問のすすめ』第八編を読み返してもらわなければならない。
 文部大臣ともあろう人が『学問のすすめ』を読んでないことはない。

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 『燃えよドラゴン』~『学問のすすめ』まで、実に幅広い。
 ただ、道徳の教科化は無理ですよ、と言いたいだけ。 

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2013年05月10日 19:21に投稿されたエントリーのページです。

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