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『歓呼の町』

 木下恵介作品。『歓呼の町』。
 東京を疎開する家族を描いてる。
 「疎開しても、我々は日の丸の下、いつもともにいるのです。」の科白。
 戦争のために苦をいとわない。

 軍事態勢促進映画。好戦気分PR作品。

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 「木下監督と言えども、当時はこんな作品を作らざるを得なかったのだろうな。」
 と思って観たけど、全く違ってた。驚いた。
 深い。

 反戦・厭戦をそっと潜(ひそ)めてる。
 今風に表現するなら、プログラムにバグを仕込んでいる。


 戦時中でも心ある文化人たちは、抗戦していた。

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 太宰治の『12月8日』はもう有名。
 大本営に気付かれないように工夫した、反戦作品。

 それと同じスタンスで作られている。『歓呼の町』。

 当時の軍部はこれらの作品のテーマを見抜けずに、スルーさせてる。
 見事にタイトルに騙されてる。

 見抜いてた軍人もいただろうが、東条〇機クラスには見抜く目がなかったということ。

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 こういった、レジスタンス文化が日本にあったことを今とてもうれしく思う。

 三〇由紀夫や石原〇太郎には出せない、弱者の襞(ひだ)が表現されている。

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2013年05月02日 18:07に投稿されたエントリーのページです。

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