「屋久島行こう!」
突然、ツーリングの師匠から連絡がきた。
「今入院中ですよ。」
「さっさと退院すればいい。」
「病気なんですよ。」
「いつまでも、ぐずぐず入院しているから踏ん切りがつかん。
失業中で、うるさいかみさんも、子どももおらんっちゃろ?」
きついことをずらずらならべる。
概ね当たっている。
師匠筋には逆らえない。
きっと、私も落語に関しては無理言ってるんだろう。と少しだけ反省。
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で、急遽退院手続きとって、突然屋久島へ。
鹿児島まで下って、フェリーに乗れば案外簡単に着く。
バイクと、踏ん切りと、ほんの少しの、自由とお金があれば、日本中3日でどこでも行ける。
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島と考えると小さく感じるが、広い。一周100kmを優に超す。
日本全国ツーリングした経験で言うと、屋久島はベストツーリングコース。
北海道の次にいい。ずーっと見通せるロードではないが、島一周100kmコースは他では味わえない。
人にもよるが、やまなみより、東北路よりいい。
高低差のある海岸コースは信号がほとんどない。
ひろびろとしたロードもあれば、幅2mくらいの林道もある。対向車と合うよりサル、シカと逢う。
一周するには反時計回りに回るという、ローカルルールがあるらしい。離合出来ない個所がある。
初日の夜、地元飲み屋で、そこの大将を交えて話していたら、どういう流れか、山登りをすることになった。
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「 ンな ばかな!」
こっちは病み上がりで、数か月病室と病院ウラの小高い丘と、可也山(かやさん)散歩くらいしかしてないのに。
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で、二日目は宮之浦岳へ。
二人とも山登りは超ビギナー。というより、わざわざきつい思いをする気なんて、全くない。
とにかく、バイクで行けるところまで行って、登る算段。
山登りの道具なんて持ってない。
ライディングジャケットにバイクブーツ。ヘルメットかぶれば即ライダー。
弁当、水、ツーリング用カッパをリュックに入れて、さぁ登山。
地獄をみた。(つづく)