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受賞雑感 4

 実は江戸時代、親孝行は今からは考えられないほど褒め称えられた。

 親孝行は、お上から褒められて、【青緡五貫文(あおざしごかんもん)】という、ざっと計算して40~50万円くらいの褒美を頂戴した。(一貫=一両一分)

 受賞した赤貧にあえぐ農民・町人・大衆が、どれだけ喜んだことか。

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 地方自治体はこれにヒントを得て、『親孝行賞』なる【賞】を実施した。
 先の某青年が受賞する運びになった。

 青年は受賞して、結構有名になる。
 で、結構有名になった青年の個人情報が世間に広がる。

 で、個人情報が露わになって、イロイロあって、
 結果、縁談が破談になった。

 どうも、母子家庭が問題だったらしい。
 (その問題で破談になるような、とてもやすっぽいコミュニティー。
 今でもそういうことが話題になる地方があるらしい。信じられないけど。)

 ここらあたりで問題が露わになる。

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 意識ある声(クレーム)が出始める。
 
 ・「親孝行」のような規範で個人を褒め称えるのは、時代錯誤ではないか。
 ・報賞で個人情報が出てくるのはどうか。
 等々
 詳しくはあまり覚えてないけど、そういった内容。
 (ネットで調べると記載されてるかもしれないが、その辺りのウラを集めてると、とても勘朝独善日記は続かない。)
 新聞社が全国レベルで取り上げる。もちろん朝日。

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 いろいろ意見が出て。
 知識人が参戦してきた。

 著名映画監督Y。
 「行政が民衆のモラルに関与することは、民主主義ではあってはならない。私の作品には親不孝者が出てきます。芸術界では親不孝と言われた方々が偉大な作品を残している。」

 それに、またまた反論、某夫婦作家。
 「親孝行は美徳です。今の日本人に失われつつある美徳を褒めて、どこか悪いことがあるのでしょうか。」

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 思想信条・イデオロギーまで出てきた。

 ここまで問題が大きくなって、自治体首長がびびった。

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 思想信条論は平行線をたどる。
 論議はその行為自体が目的でいい。いろいろ考えるからいい。

 人類は完成された社会に到達したことがない。ユートピアを求めているが、まだ誰も探し当てていない。
 北は自分達の国家が最終国家だといってるが、多くが認めてない。
 よど号でユートピアを目指した青年達。「俺達はあしたのジョーだ」と言葉を残したが、今老人になって揺れている。賛否両論。だが、方法は間違っていた。

 社会は永遠に成長し続けている。完成はしないが成長し続けることを目的としている。
 
 考えを強制された国民がどうなってるか、そうなってしまった近所の国を見れば想像できる。

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 意外な展開となってくる。(つづく)

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2013年04月19日 13:51に投稿されたエントリーのページです。

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