実は江戸時代、親孝行は今からは考えられないほど褒め称えられた。
親孝行は、お上から褒められて、【青緡五貫文(あおざしごかんもん)】という、ざっと計算して40~50万円くらいの褒美を頂戴した。(一貫=一両一分)
受賞した赤貧にあえぐ農民・町人・大衆が、どれだけ喜んだことか。
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地方自治体はこれにヒントを得て、『親孝行賞』なる【賞】を実施した。
先の某青年が受賞する運びになった。
青年は受賞して、結構有名になる。
で、結構有名になった青年の個人情報が世間に広がる。
で、個人情報が露わになって、イロイロあって、
結果、縁談が破談になった。
どうも、母子家庭が問題だったらしい。
(その問題で破談になるような、とてもやすっぽいコミュニティー。
今でもそういうことが話題になる地方があるらしい。信じられないけど。)
ここらあたりで問題が露わになる。
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意識ある声(クレーム)が出始める。
・「親孝行」のような規範で個人を褒め称えるのは、時代錯誤ではないか。
・報賞で個人情報が出てくるのはどうか。
等々
詳しくはあまり覚えてないけど、そういった内容。
(ネットで調べると記載されてるかもしれないが、その辺りのウラを集めてると、とても勘朝独善日記は続かない。)
新聞社が全国レベルで取り上げる。もちろん朝日。
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いろいろ意見が出て。
知識人が参戦してきた。
著名映画監督Y。
「行政が民衆のモラルに関与することは、民主主義ではあってはならない。私の作品には親不孝者が出てきます。芸術界では親不孝と言われた方々が偉大な作品を残している。」
それに、またまた反論、某夫婦作家。
「親孝行は美徳です。今の日本人に失われつつある美徳を褒めて、どこか悪いことがあるのでしょうか。」
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思想信条・イデオロギーまで出てきた。
ここまで問題が大きくなって、自治体首長がびびった。
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思想信条論は平行線をたどる。
論議はその行為自体が目的でいい。いろいろ考えるからいい。
人類は完成された社会に到達したことがない。ユートピアを求めているが、まだ誰も探し当てていない。
北は自分達の国家が最終国家だといってるが、多くが認めてない。
よど号でユートピアを目指した青年達。「俺達はあしたのジョーだ」と言葉を残したが、今老人になって揺れている。賛否両論。だが、方法は間違っていた。
社会は永遠に成長し続けている。完成はしないが成長し続けることを目的としている。
考えを強制された国民がどうなってるか、そうなってしまった近所の国を見れば想像できる。
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意外な展開となってくる。(つづく)