子ども向けの落語のネタ。書籍の演目・ネタだけ見ていると、とても偏ってる。
『子ほめ』『初天神』『寿限無』『転失気』『化け物使い』等々。
子どもが出てきて、あたりさわりのない、言葉を換えれば【毒】のない、ネタばかり。
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そこには『品川心中』もなければ『居残り佐平治』もない。
『五人廻し』もなければ、『明烏』も『紙入れ』も『三枚起請』も『立ち切れ線香』もない。
これは完全に子どもを侮ってる。
子どもに聞かせられない落語を選んで、意図的に排斥している。
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こどもにとって、いい迷惑。
今の子どもはおそらく、SEXに何しては、大人の想像をはるか超える部分まで知ってる。
ネットで何でもかんでも玉石混交(いや、玉はないから駄石混淆)であの手の情報が得られる。
しかし、恋愛は知らない。
まだ、本格的な恋愛さえ知らない年齢だから、
『五人廻し』や『居残り佐平治』を聴かせて上げる方が、本物の恋愛を知る機会だと思う。
恋愛はほぼ80%は振られる覚悟でやれって。
うちの勘人(小学校6年生現在)をみるがいい。(勘人が読んでないという前提で書いてる。読んでるかなぁ。)
五年生の頃から
勘朝で『品川心中』を聴き、ひな太郎師匠で『三枚起請』を聴き、左橋師匠で『宮戸川』を聴き、鯉昇師匠で『持参金』を聴き。あやめで『妙齢女子の微妙なところ』を聴いている。
これでいい。これだけ男女関係の複雑な落語を聴き倒してる。
勘人が福岡有名私立中学校へ通うようになって、破廉恥なことするわけがない。
そんな暇があったら、『紙入れ』の稽古している。
そう。子どもに聞かせちゃいけない落語はない。
聴かせられない話なら大人もするな。
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視点を変えて、大人が子どもに薦める落語ってのがそもそも、胡散臭い。大間違い。
文部省推薦・全国PTA推奨『落語』がもしあったとしても、誰も聴かない。そんな推薦受けた噺家さんは、絶対出ないと思うけど、それは【堕落】の見えない烙印が押されたも同然。
映画に文部省推薦がついたとたん映画が全く面白くなくなるのと全く同じ。
落語と映画は常にアウトロー。
だから、落語と映画は面白い。
落語は教育に利用されるような隙を作るな。