DMがよく来る。
「何で、住所知ってんだよ!」
怒るのを通り越して、半ばあきれて、受け取る。ほとんど読まずに捨てる。
突然、直筆手紙が舞い込んだ。
あきらかにDMではない手紙。
差出人は、『Y』と記してある。
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「誰だっけ?」
訝(いぶか)りながら、開封した。
ふわり、温かい香りがした。
丁寧な文字が、一字一字並んでる。30分以上かけて書いた手紙があった(おそらく)。
最近メールばっかり。
手紙が来ても、ワープロばかり。
直筆の手紙なんて、アマガエルくらい見かけなくなった。
『お手紙』という児童文学の名作がある。
この主人公はガマ君とカエル君。イラストの様子からすると、トノサマガエル。
テーマは、濃いキャラクターの存在価値。
他愛のない、一通の【手紙】を触媒にして、作者が語りかける。
読みが浅い子は、手紙に固執する。手紙は媒介変数。要は人間関係。
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で、突然頂いた直筆の手紙。
こんなに丁寧な直筆の手紙は、20年ぶり。
内容は、業務連絡。色恋沙汰とは全く関係ない。でも、久しぶりに手紙に心揺さぶられた。
大切にしよう(笑)。
差出人は、こんな事情を全く知らない(笑)。