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変身してなきゃ、戦えない

 仮面ライダー、ウルトラマン、ウルトラセブンが怪人、怪獣、異星人達を次々にやっつける。彼らが、戦い続けられるのは、変身しているから。

 本郷猛、ハヤタ隊員、諸星団の姿では、とても互角以上に戦えない。

 戦ってる途中で、変身ベルトが解けたり、アイスラッガーが落ちたり、ウルトラライトが切れたりしたら、客もスタッフも、当の本人もボウ然となる。

 

 勘栄が、演っている途中、素(す)に戻った。以前勘タクも、勘心も、同じ経験をしている。
 ビギナーの頃、皆結構この失敗をやらかす。
 勘樹さんも、やらかして、突然降りてきた。下座がうろたえた。次に上がる予定だった、勘タンが一番うろたえた。今、伝説になっている。

 落語を演るものにとって、芸名は、仮面ライダーの変身ベルト、ウルトラセブンのアイスラッガー。
 変身するために、小絹社中がセレモニーメロディまで流してくれる。変身ベルトの風車が回り始める。

 この変身するときの快感がいい。他では味わえない人生の珍味。
 皆それを忘れられなくて、ズブズブと落語蟻地獄にはまり込む。


 勘栄が突然、三嶋議員にもどったり、勘心が中村オーナーに戻ったりしたら、驚く。
 

 誰でもやる失敗なんだけど。一人一回だけ。笑ってすませられる。
 二回やらかすと、戦えない。変身するのが怖くなる(トラウマ)。

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2011年10月23日 07:13に投稿されたエントリーのページです。

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