R.ポランスキー健在なり。
往年の巨匠映画で、やたら小難しくて、観終わった後、「テーマは自分で考えなさい。」と放り投げられて、呆然とする作品がある。
キューブリック、ルイ・マル、コッポラ的・・・みたいな。フェリーニは作品全体がそうだけど。
もしかしてポランスキーもそうかと思って、心配しながら観る。
とんでもない。サスペンス・ミステリーとしてここ数年でピカイチ。大人なら誰が観てもわかる。
さっすが!ポランスキー。
いろいろ、スキャンダルも多くて大変な人らしいけど、映画を作る人は多国籍免罪符を持っていてもいい。
アクションなし。銃撃戦なし。カーチェイスなし。セコ驚かしなし。3Dなし。派手なカメラワークなし。タイムバックなし。
役者の演技と、脚本だけで引っ張る。
「ここはNGが10回近く出てるだろうな。」と思わせるカットがある。
ぐいぐい引きずり込んでくれて、ラストの期待にもちゃんと応じてくれる。
彼の作品群では、『ローズマリーの赤ちゃん』を越えてはない。『赤い航路』よりはるかによくて、『戦場のピアニスト』よりも完成度は高い(と思う)。
R.ポランスキー、80歳前後じゃないだろうか。まだまだ創り続けてほしい監督。才能は枯れてない。
一か所だけ、こっそり笑った。ライス国務長官(日本でいえば外務大臣)。そういえば、彼女は女優より美しかった。
大いなる不満。
福岡での公開が遅すぎる。福岡が九州地方都市なみに扱われている。
東京同時公開とはいわないが、少なくとも、名古屋とは同時にしなきゃ。
また、タモリが名古屋叩きする(笑)。
ソラリアが、満を持して開館した客であふれかえっている。だからソラリアが潰れる。