本当のピンチは、ナビゲーターが誘発した。
相方がナビを持ってて、その威力に驚いてた。
ナビの言う通りしていれば、間違いなく、目的地に誘導してくれた。時々間違いも起こすが、重篤な間違いはなかった。
ナビさえあれば日本中どこへでも行ける。
福岡に帰ったら、ナビを購入しようと思った。
ナビの誘導に任せて、なんの疑いもなく、フェリー乗り場への道を、まっしぐらに進んでいるはずだった。・・・だった。
あれ?おかしいなと気づいたのは、関越道を降りて、聞いたことのある地名を通っている時。
練馬区〇〇。豊島園。
相方を止めて、確認したら
「大丈夫ナビが指示してる。あと40分で埠頭に着くから。」
ナビは絶対。
「疑って申し訳ありません。」と、走る。だが、都心にどんどん突っ込んでいく。
『目白通り』。昔、小さん師匠がこの辺歩いてたのかなぁ。なんて考えながらとろとろ走る。
信号につかまる。5分程度止まる。
さすがに、おかしいと相方を止める。
「おかしいですよ。」
「でも、ナビがこの道を指示してる。」
「ナビはあと何分と言ってます?」
「40分」
ドキーン。
「さっきも40分でしたよ。もしかして、ナビは最短距離を指示してるんじゃないですか?」
「もちろん、ナビはいつも最短距離。」
そこで始めて気がついた。
最短距離は最短時間ではない。顔面蒼白。
ナビは、最短距離を選んで、首都高速を外して導いていた。
フェリー出港まであと30分。
目的地、晴海埠頭までの距離は18Km。
この18Kmに、世界屈指の大都会東京がドカーンと横たわっている。
18Kmを30分。
とまとが、2時間語ってる姿が目に浮かんだ(涙)。続く