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どピンチ!(後)

 自分たちの置かれてる状況をやっと理解した。

 ナビが、間違えた。
 ナビは、距離から単純に時間を割り出した。40分。
 40分で都心を抜けられるわけない。信号待ちだけで30分かかる。
 ナビを信じてた我々が、しくじってた。

 あと、30分で、練馬から埠頭に付かないと、とまとがしばかれる。
 とまと、どピンチ!

 そこからの主導権は、ナビから勘朝へ。
 ナビはただの情報提供のツール。


 大都市東京の、渋滞をガンガンすり抜ける。
 赤信号で渋滞している車両の、隙間をぬって、最前列へ。多くの黄信号は通過。
 左右の車から猛烈な抗議。

 新宿→四谷→皇居→半蔵門・桜田門→新橋→日比谷→ガード下→四谷→銀座等々、日本で一番混雑する交差点を信じられないスピードで駆け抜ける。『ワイルド スピード』状態。


 8月15日、東京都心を駆け抜ける暴走バイク2台の正体は、福岡ナンバー。東京で福岡のイメージを最悪にした。
 練馬から晴海埠頭までの短時間レコードBEST10に入ってる。おそらく。

 結果、約10分、まにあわなかった。万策尽きた。
 不眠不休で高速で帰るしかない。覚悟は決まった。

 
 ところが、埠頭に着くと、カーキ色の車両が東九フェリーに入りつつある。
 何と、そのフェリーに、救援作戦終了の帰還自衛隊が乗船していた。
 自衛隊車両が延々と並んでる。そこに、2台のバイクがたどり着いた。

 フェリー会社も国家権力で、しかも救援自衛隊には赦(ゆる)い。
 到着時刻さえ守れば客の不満は出ない。

 で、なんと、間に合った。超トリックプレイ。
 自衛隊のおかげ。

 
 裏事情が、まだある。
 8月15日。戦没者慰霊式が都心であっていた。 
 右翼街宣車が管直人に盛んにアピールしていた。
 東京はデモの規模も大きい。

 警視庁は、その対応におわれて、道路交通法違反のバイクなんか相手にしている暇はなかった。
 隊列を組んだ機動隊の目の前を、明らかに速度違反のバイクが走る。
 もし白バイが追いかけてきたら観念するつもりで走る。
 パトカーは無理。都心で大型バイクに追い付ける車輛はない。

 

 エピローグ
 ナビは購入しない。
 自衛隊への感謝は忘れない。
 警視庁の管轄地区では、道路交通法は破らない。
 終り。

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2011年09月02日 20:02に投稿されたエントリーのページです。

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