『ブラック サンデー』
映画ファンでは、伝説となっている作品。
制作は約35年前。当時公開予定だったが、急遽公開中止になっている。
原因は当時の社会情勢。
イスラエル・アラブ・パレスチナ・アメリカと日本との関係が微妙な時代。
日本は石油をアラブに頼って、日米安保でアメリカの傘に入ってる。石油は必要だが、アメリカにも遠慮しなければいけない。結局反イスラエルの立場をとってアメリカと一時関係が冷えた。
このあたりは、現代史を学ばないと背景が理解出来ない。映画やゴルゴ13で学ぶという方法もある。
しかも内容が爆弾テロ。
当時日本は爆弾テロがあちこちで起こっていた。(参考『狼煙を見よ』松下竜一)
そのあおりで、『ブラック サンデー』上映禁止になった。
刑事コロンボの中にも、爆弾テロをあつかったものがあって、放映禁止作品もある。
というわけで『ブラック サンデー』本邦初公開。日本ではロードショーになるわけだ。
フランケンハイマー監督の上手さが光る。彼の作品で一番いい(100%主観)。
あちこちで撮影しているが、スーパーボール8万人大観衆スタジアムの撮影が光る。どうやって撮ったのだろう。
『GOOD YEAR』のロゴ入り飛行船の迫力。GOOD YEAR社が飛行船をよく貸し出したものだ。
イスラエル諜報員とテロリストたちの攻防。
ベトナム帰還兵の苦悩。
どれをとっても完成度が高い。
35年前。映画雑誌で上映禁止の裏情報を読んだ。観たくて仕方がなかった。
ようやく35年間の夢がかなった。
CGも3Dもない時代。
監督はカメラワークと脚本で、役者は演技だけで勝負している。
迫力が違う。☆☆☆1/2。
絶対お薦め。天神東宝10:00。1回のみ上映。