どこから書こう。
やっぱり映画から。
山本薩夫監督の映画に『松川事件』ってのがある。
冤罪事件をあつかった映画。詳細は略。映画人がジャーナリストだったことの証明。プロパガンダ映画。
何しろ、『松川事件』という映画がターニングポイントで、【松川事件】裁判で無罪を勝ち取ってる。
まだ、係争中で第2審まで不当判決が出ていた。映画がつくられている途中、最高裁審議中。
リアルタイムでは人の命が左右される。軽はずみなことは表現できない。山本薩夫監督およびスタッフがギラギラしながら作っているのがよくわかる。
【松山事件】は、【下山事件】同様、GHQが絡んだ事件。レッドパージに日本中が荒れていた。
そんな時、よくこれほどの作品がつくられたものだと驚かされる。
労働団体や市民運動からのカンパで資金は賄われた。中国、ソ連からも援助があった(かもしれない 怖)。
『造花の判決』という【狭山事件】をあつかった映画もある。
映画はプロパガンダの手段だった。
で、今話題の冤罪。『東電OL殺人事件』。
東電は踏んだり蹴ったり。事実だから仕方ない。
『東電OL殺人事件』間違いなく、冤罪。
【東電】【慶応大学出身エリートOL】【ネパール】【夜鷹】【別件逮捕】【DNA鑑定】等々、社会矛盾のカオス状態。
佐野眞一のレポートが一番正鵠を得ている。
しかし、スキャンダル番組で取り上げてももらえない。あまりにニュースソースの鮮度が古い。
社会意識のある監督なら、映画製作に取り掛かるんだろうけど。
現在、山本監督のような骨太はいない。近頃の監督じゃ無理。スケールが違う。