題名だけ読むと、『若草物語』と『浮草』から、文芸作品映画のようなイメージを受けるが、どうしてどうして。かなり骨太なプロレタリア映画。
ただ、プロレタリア運動がアナクロになってしまった2011年。
今鑑賞しても、オルグするのは、無理。
労働運動と大衆芸能・ドサ歌舞伎の連携を描いてる。
歴史的文芸遺産として鑑賞すると興味深い。
山本薩夫が、監督としてやり遂げたかった仕事が理解できる。
娯楽を追求した黒沢監督、日本人の日常を描いた小津安二郎、労働者のスタンスに軸足を置いた山本監督。
山本監督は黒沢が嫌いだっただろう。想像の粋を出ないけど。
日本の映画界は豊富な財産をたっぷり持っている。
埋もれさせてしまうにはもったいない。もっと評価されていい映画。ただし、レンタルにしても誰も借りない。そんな映画。