「私は素人ですが、ちょっと、落語や漫才のネタを教えてもらって、地域の会でやりたいんですけど。」
と、いうような連絡を頂くことがある。
連絡者の要は
①落語が好きで、ちょっと小咄(こばなし)でも覚えたい。
②身近な会合で寸芸として軽く演じて。
③ちょっと評価されたい。
といった事情。
そんな動機が木端微塵に砕かれるのに、2週間かからない。
落語をはじめとする、笑いをとる話芸が軽んじられているのには、全く問題ない。【軽妙】は、落語のキモでもある。
ところが、それを軽く身につけられると思っているのが間違い。
落語は、お客様として、寄席に通っていただいているうちが花。なまじ演ろうとするから、悩む。稽古して初めて分かる。
落語は聴いて笑っているのがいい。聴かせて笑わせようとするから、生活のどこかにひずみが生じる。