『華氏451』トリュフォーの映画。近未来SF。
書籍をどんどん燃やし続ける映画。簡単にいえば。
書籍は、時としてとてもアブナイモノになる。
四半世紀前、浅草の寄席で、昔々亭桃太郎師匠だったと思うが、小さな紙を持って高座に上がられて、表現規制に愚痴をこぼすネタがあった。
小さな紙には、寄席で発言してはいけない言葉が書いてあった。
席亭からのお達し、があったらしい。
身体障害者やマイノリティを差別する表現等々、
桃太郎師匠は過激さで売ってたから、びしばし表現してあった。浅草という土地柄もあってか、客は喜んでいた。国立演芸場ではとてもやれない。
その頃、今の仕事に就いていたから、ドキドキしながら聴いていた。
【大工】【按摩】【八百屋】もだめだという。
「じゃぁ『大工調べ』は『建築業者調べ』でやれってのか!」でどっと笑いをとっていた。
この頃は、マスコミが言葉狩りにあっていた時期。
糾弾会があって、マスコミも行政もビビりあがっていた。
いろんな言葉が、やり玉に挙がった。マスコミも行政もトラブルが起こる前に自主規制した。
もちろん、表現として好ましくないものもあるが、こんな言葉まで自主規制しているの?と首をかしげたくなる言葉もある。思考停止。
先の【大工】ダメ。【ヤクザ】だめ。
で、師匠が最後に
「じゃぁ使っちゃいけない言葉の辞典でも作れよ。『差別用語辞典』っての。」
凄いブラックだなと。笑った。(続く)