SF映画の金字塔。公開されて、もう30年も経つ。
30年前のハリウッドの才能たちが、寄ってたかって作り上げた。リドリー・スコット、シガ二―・ウィーバー大ブレイク。
30年前大いに興奮して映画館を出た覚えがある。
今回は30年前ほどは興奮しなかったが、30年前を思い出した。
中学生でもわかる作品だが、深読みすればいろんなファクターが埋め込んである。
アガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』がベース。
いろいろな映画の解説書にも書いてあるが、フロイト【エディプスコンプレックス】も隠されている。
第1幼生はまさに、女性器。第2幼生は男性器。
第1幼生:女性器が、男性飛行士の顔面に張り付いて剥がせない。この暗喩は、当時アメリカ社会のSEXコンプレックスが表現されている。
第2幼生:男性器が人間の体を食い破って、鮮血をほとびらせて産まれてくるシーンはあまりにも有名。このシーンはロストバージンを裏から表現している。
他の生命体に寄生して、親体を食い破って産まれてくるのは自然界ではそう珍しいことではない。アオムシコマユバチがアオムシ(モンシロチョウの幼生体)に寄生して産まれてくる。
小学3年生の観察中も時々見られる。丁寧に指導してやらないと、まるでアオムシコマユバチが極悪非道な昆虫になる。担任の力量が問われる。
『エイリアン』では生物学者から意見を聞いて脚本を書いている。
生物学的にも、卵→第一幼生体寄生→第二幼生体→成体の変態は、理にかなっている。
ただ、重箱の隅をつつけば、幼生体から成体で脱皮するが、あまりに成長が著しい。タンパク質の補給が伴ってない。密室で、タンパク質源はないはず。映画中ではシリコンで成長すると言ってたが、それはないだろう。
シガニー・ウィーバーが演じたリプリーが、リンダ・ハミルトン→ミラ・ジョボビッチ→アンジョリーナ・ジョリーと続いている。しなやかな筋肉をもった、戦う女性像。
『エイリアン2』がジェームズ・キャメロン。両監督とも一番才能があふれていたころの作品。面白いに決まってる。