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『マイ・バック・ページ』

 この作品は世代間で随分とらえ方が異なってくると思う。今の若者は見ないだろう。

 18:00過ぎ300くらいの席に3人で見た。3人とも決してリピーターにはなりえない。当たらない。

 松山ケンイチという役者がすべて台無しにしている。あまりに大根。ファンが読んでいたら、もうこれ以上読み進めないで。

 1965年頃、日本は学生たちが本気で革命を進めようとしていた。本気だったと信じている。まだその頃中学生だったから早く大学に行きたくて仕方がなかった。世の中が変わると思っていた。
 三島事件や、連合赤軍や浅間山荘等、血生臭い事件が続出して、意識が変えられていった(ように感じてる)。社会の支持が学生から国家権力側に代わって行った。
 
 その頃の書籍は山ほど出ているが、『実録連合赤軍』若松孝二、『実録浅間山荘』佐々淳一(完全な警察側から)、一番読み応えがあったのは『神曲地獄篇』高木彬光。

 で、『マイ・バック・ページ』。
 川本三郎の自伝的作品だが、ケンイチ君で決まり。
 まぁ、彼は甘ったるい恋愛ドラマ役者が、適当な坊やってこと。

 一人の青臭い雑誌記者が、大人になっていくのが主題だが、ケンイチ君がからんで作品が陳腐になっている。ミスキャストの典型。

 若いジャーナリストはまずまずかな。ラストで素面から涙を流して嗚咽を漏らすシーンは、なかなかの演技。『悪人』の青年役の方がハマっていたけど。
 上手いなぁとは思うけど胸を打たれる程の演技ではない。この程度の演技をやる俳優はハリウッドには山といる。

 勘心の息子が結構重要な役で出ていた。応援している。

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2011年05月31日 00:26に投稿されたエントリーのページです。

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