« 反自粛 | メイン | チャック・コナーズ »

無常

 ある通夜に参列して、そこの導師が『無常』について語る。
 語りが異様に上手かった。会場の広さ、人数、雰囲気に的確に応じて、語る。マイクはない。マイクがあったら伝わってこなかった。

 蓮如の『白骨の御文章』。どこか忘れたが、一度読んだか、聞いたことがある。小林秀雄か、五木寛之か、その辺りの小難しくて、辛気臭い文章だった。


 今回、語りの上手さもあり、すっと入る。

 とかく、『死』は難しい。誰もが知ってるのに、誰も経験したことがない。そして、経験則として残らない。

 生命の営みを過大評価することは、近代思想の過失だ(と思う)。
 科学は宗教から離脱して成長し続けている。しかし、器の大きさは宗教の方が大きい。歴史が違いすぎる。
 ネアンデルタール人にも宗教があったらしい。(それを科学が証明しているところが、面白い。)


 今回の、天変地異と、その後の対応をどうとらえるか。まったく難しい。


 街に出たら、多くの女子高校生が募金活動をしている。その前を素通りすると、10代の、純情かつ、善意の瞳が、非難の色でまとわりつく。彼女らに「ナンテ、いやなオヤジなんだろう。」って思われてる。困ったもの。
 悪いこと何もしてないのに。

 誰しも、50年生きてたら、10代の異性によく思われたい。これは悪いことなんだろうか?ここが言いたい。


 彼女らは『蓮如』も『白骨の御文章』も全く知らないのに、『死』は知っている。 

 無常。人生で、一番生命活動の旺盛なものには不必要な考え。  

About

2011年03月18日 20:33に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「反自粛」です。

次の投稿は「チャック・コナーズ」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.32