『上方落語の会』熱がようやく冷めつつある。
【ダブルクロスカウンター】を喰らったような感覚。
もっとクラシックな表現でいえば、【サタデーナイトフィーバー】。フィーバー=熱病。
今回、最も唸ったのは、鴈次郎『阿弥陀ヶ池』次のサワリ
「体をかわす。」の慣用句を思い出すくだり、から。
・・・【体】→【ミャンマー】→【ラオス】→【マレーシア】→【(タイ人口)】→【(タイ国名王)】そうそう【タイ】→【体をかわす。】(爆笑)
これを文章表現するのは、あまりに難しい。
「体を思い出さすのに、人を東南アジア一周さすな。」(爆笑)
普通ならこれで終わる。
(しばらく別のくだりがあって。)
「こうずーっと長いもの。」
「ずーっと長い?」
「そう、ずーっと長い。」
「メコン川」(爆笑)
(凄いのは次の一言。)
「一遍終わって、また東南アジアに戻すな!」
これには呆れた。見事な三段オチ。
有名な、志ん生師匠『寝床』のサゲ。
「それがもとであの人ぁ、ドイツいっちゃった。」を、もしかしたら越えてるかもしれない。
演った鴈次郎の凄さ!文学部プロフェッサーの肩書きはだてじゃない。
まさしく『修辞学』。これを講義で演ってるのだろうか。
『修辞学』を、今時の女子大生は理解してるのか?
あそこの学生は、お嬢様だから理解できる。
落語で修辞学。そんな講義なら聴いてみたい。