黒沢映画『羅生門』
御存じベネチア映画でグランプリ撮った映画。やや難解なので敬遠されがちだが、図書館シネラは結構多かった。
娯楽映画華やかだったころ(1950年代)、よくこんな考えなきゃ付いていけない映画撮ったもんだ。
アメリカ人には理解できない。イタリアだからこそ、グランプリ取れた。
『羅生門』の時代背景は平安時代。
平安時代、今のアメリカは影も形もなかった。
国創りに2000年以上かけたことのない国には、こんな映画は理解できない。
映画の眼目は、何といっても京マチ子。美しい!しかも上手い!
これだけの演技が出来る女優は、今いない(のではないか)。さすがの松たか子も、深津さんでも無理。
リメイク話があがっても、常識がある女優なら恐ろしくって出来ない。
例外は、座頭市やったあのバカ女優なら案外乗せられるかも。
京マチ子が語る時のBGMボレロ。これがいい。音楽担当が誰か知らないが、とてもいい。
雨がいい。黒沢監督は雨の使い方がうますぎる。
『七人の侍』、『野良犬』、『張り込み』…は違ってたね。まぁいい、日本の映画監督が雨を使ことが多いのは、黒沢映画の影響に違いない。
京マチ子が一番きれいなころの映画。まだ生きてる…よね確か。