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座頭市フリーク

 座頭市については、ちょっとうるさい。

 少年時代は小屋で、かかる度に観た。おそらく全シリーズを観ていると思う。当時は勝新太郎の演技が当然と思ってみていたので、価値ある映画だとは思っていなかった。
 今考えると、相当凄い演技だった。勝新太郎だけでなく、監督も相手役も、斬られていく名もない役者さんたちも。斬られていく大道具、小道具も素晴らしかった。ろうそく、樹木、柱、杯、盆の壷、碁盤、大八車の車輪、樽、等々が面白いように真っ二つにされていく。
 大映スタッフ、それぞれが職人芸を発揮していた。


 座頭市のリメイクも仕方がないので、観た。成功したためしがない。
 ビートたけし、ルドガー・ハウアー、をもってしても駄作にしかならない。
 ましてや、若さと、美形と、肌の美しさだけが取り柄の(十分すぎる取り柄だが)女優に座頭市が演れるわけがない。

 で、今回はさすがに観に行かない。そうそうだまされない。お足使ってがっかりするのは愚かなこと。座頭市は勝新以外に演るのは不可能。

 もし観て感心する客があったとしたら(おそらくないだろうが)、30代より下。勝新を知らない世代。それはそれでいい。そういう客は勝新を知らないほうが幸せ。

(そうそうメリル・ストリープ。あーすっきりした。こえびに感謝。)

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2010年06月04日 06:43に投稿されたエントリーのページです。

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