自分の弟子を褒めるのも何だが、勘楽『大仏餅』がいい。
文楽師匠の最後の高座で有名になった『大仏餅』。「勉強して参ります。」の噺。
『大仏餅』を演るアマチュアはいないだろう。プロでも聴いたことがない。文楽師匠のCDでしか聴いたことがなかったが、今回初めてライブで聴いた。
『どんどん亭ライブ』。お客様は少ないが、実にいいお客様が集ってくださる。笑いのツボをよく心得てある。だてに57回も続かない。
第57回『どんどん亭ライブ』で勘楽『大仏餅』が出た。稽古会で聴いていたが、稽古会とお客様の前では全く違う。演ったことのある者なら誰でも知っている。
勘楽は文楽師匠に陶酔している。文楽師匠を追究してやまない。多大な投資もしている。
『大仏餅』は決して面白い噺ではない。その上、差別的な表現も出てかなり手強い。敢えてそれにチャレンジした勘楽を褒めたい。
『どんどん亭ライブ』の8名のお客様は皆満足そうに帰っていかれた。ご贔屓のK先生からもお褒めの言葉を頂いていた。
勘楽の弱点。若さがない(笑)。開口一番でしくじることが多い。でもこういった渋い噺をさせると光る。このまんま老けていくのだろうか(笑)。