今年も箱根が面白かった。全部通しては観てないが、柏原という選手が突然現われた。去年からなんだけどね。
そこで一つ考えた。
東洋大は彼の登場で俄然注目を浴びている、学生の志願者が増えるだろう。いいことなんだが、もっと大きな目で見るとそうはいかないかも知れない。
私も長距離を走ってたことがあるので少しはレースのことがわかる。
長距離ランナーは消耗品である(多くのアスリートはそうなんだろうけど)。その選手のピークをいつ迎えるかが大きな鍵となる。
柏原という選手のピークは7年後に迎えてやるべきではないかと思う。それだけの逸材だと思う。
箱根を走ると必ずその選手はつぶれる。佐藤も藤田も入船も今井も全部つぶれた。つぶれたというと言過ぎかも知れないが、言葉を換えると世界に通用しない選手になった。例外はある瀬古、谷口はそこそこ行ったけど、彼等は先天的に故障に強かった。瀬古の体型は君原、円谷(懐かしいね)に似ている。
日本人が陸上で世界に通用するのはマラソンだけ(キッパリ)。
マラソン女子が世界に通用しているのは、女子には『箱根』がないから。しかし、高校駅伝で消耗されすぎると潰れる。高橋も有森も野口も世界で通用している選手は、高校時代全くの無名。つまりピークをオリンピックに合わせてきている。
高校でピークを迎えた池田真理(筑女優勝のアンカー)、衣川愛(仙台育英)、新谷は高校駅伝で消耗されてしまった。新谷は実業団で名をはせているが、野口にはなれないだろう。ポスト野口を育てるなら駅伝から引き離すべき。
今のマラソン界は耐えて走り抜く競技ではない、42㎞を2時間5分(女子は18分、2010年現在女子は男子より劣っている。)で走りぬくスピードレース。これは並はずれた身体能力を持つ者だけに許されているタイム。
今男子でそれを持っているのは、東洋大学2年生、柏原だけ。彼は『箱根』という小さな『箱庭』(けっこううまいね)で消耗させちゃいけない。かれは高校時代全くの無名で、消耗されてない。
陸連はリオデジャネイロのために東洋大から彼を引き離すべきだと思う。
もちろん来年の『箱根』5区で彼の走りを見てみたい。でもロンドン、リオデジャネイロでトヨタ九州をやめたサムエル・ワンジル(彼は実に賢い、トヨタの看板で走るよりオリンピックを選んだ。)と戦う柏原を見たい。
ワンジルが残っていればだけどね。
アフリカ勢、ケニア勢と互角に戦える選手が久々現われた。彼は東洋大の宝ではない。日本の宝だ。