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アグレッシブ サイエンス

 昨日に続いて、理科学習について。

 理科学習の低下が囁き始めて10年近くなる。先日『クローズアップ現代』でも取り上げられていたが、その要因に、指導する初等教育の教員の資質が低下していると言われている。
 彼等はいわゆる『ロストジェネレーション』で『ゆとり教育』の被害者でもある。理科の授業が思いっきり削減されて、まともな実験観察をしてない。教科書だけでお茶を濁された世代。
 電気回路の直列並列をまともに理解してない初等教員がいるのも事実。困った問題。

 で、I小学校の理科室ではアグレッシブサイエンスが日々行われている。

 先日ニワトリの解剖をやった。解剖は現指導要領では削減されている。やるとしてもフナかイワシ。でも魚類の解剖は臭い。しかも『人の体の働き』にはほど遠い。循環器官も消化器官もヒトにはほど遠い。
 で、ニワトリ。六年生2クラス。24体のニワトリを無償で無料で調達してもらった。保護者は子どもの勉強のためならと、喜んで提供してくれた。
 肝臓も心臓も胃も小腸大腸もバッチリわかる。肺は空気が抜けてしぼんでしまう。残念。
でも肺が膜で出来ているのが理解できる。
 心臓も二心房二心室で弁もよく見れば観察できる。子ども達は四つの部屋に指を突っ込んで
 「ホントに部屋がある!」と感心してた。(感動ではない。)教科書に載っている教科書の心臓図がいかに現実と離れているかよく解る。バカな教師は教科書の心臓がデフォルメされていることをしらない。
 また、肝臓がいかに大きな臓器なのか実感していた。同じ消化管でも小腸と大腸の違いが目で観てよく解る。

 学習は教材が命。愚かで無能な教師ほど、資料も教材も何も準備しないで、教科書とチョークで学習に臨む。教師の劣化。
 しかし、こんな愚かな教師を作り出しているのは、愚かな文部官僚。その下部組織の木っ端役人の教育委員会。これはハッキリしている。
 あまりに教師の雑用が多すぎる。教育委員会がやればいい。自分たちがやらずに学校に押しつけて、教師に指導力低下の責任転嫁している。これくらい解らないか。
 愚痴ったってしょうがない。

 さて、I小学校の次ぎのアグレッシブサイエンス。粉塵爆発。
 これは子どもは喜ぶ。爆発は子どもの科学的好奇心を刺激する。発火、発熱、爆音の三拍子を全て備えている。
 理科室のガラス窓がビリビリふるえる。面白い。ヒビでも入って割れたらもっと面白いんだけど、新聞沙汰になる。始末書モノかも知れない。でもその位のほうが理科教師としては名誉。

 黒色火薬まで手を付けたいけど…。テロリストの育成に繋がるかも知れない。その前に硝石が手に入らない。さすがの理科教材やさんも売ってない。硫黄と炭素粉はあるんだけど。昔は田舎屋の軒下に微量にあったらしい。詳細は省くが。
 火薬…。理科教師としてそそられる(笑)。

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2009年12月04日 05:09に投稿されたエントリーのページです。

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