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『小きぬ・勘米還暦祝いパーティ』

 その会の仕込みを始めたのは、4月のとある稽古会の日。例のごとく集ってだらだら駄べっている時、誰かがふと言った。
「そういえば、今年小きぬさん還暦ですよね。」別の者も
「勘米さんも還暦ですよ。」
 その時、主役のどちらかがそこにいたらパーティはなかった。勘朝がそこに復帰してなかったら会はなかったかも知れない。条件は整っていた。

 私はまだ本調子ではなかったものの、イベント企画魂はくすぶっていた。
「そうかぁ。じゃぁお祝いしなきゃね。どうせなら楽しくやろう。サプライズで驚かせようか。」
 周りのみんなは賛同はしたものの、直角は『まだ(勘朝さんにイベント企画は)無理なんじゃない?』と思っていた(だろう)。小さな炎はくすぶっていたけど、確実に成長して行ってた。

 イベント企画魂の残滓は残っていたものの、何せ鬱のトンネルは長い。以前あった行動力、実践力はまだ眠ったまま。で、今回は思い切って連中に振り分けることにした。これこそが大成功の核となった。

担当割り
 経理 OB。
 連絡網構築 熊さん。
 備品 直角夫妻。
 記念品 小やす。
 プレゼン、ディレクター 勘尺。
 プレゼン 勘珍。
 司会 酔書。
 感謝状・横断幕 のび太。
 商品横領 勘心。
 会場飾り付け かんな。
 会場セッティング 勘楽、勘也、勘々、ジェニファー。
 小きぬ誘導 勘遊
 勘米誘導 小やす
 くす玉クラッカー 勘タン。

 計画は静かにシークレットに運ばれた。途中ネタバレしたら折角のサプライズが台無しになる。
 途中『勘朝早朝細切れメール騒動』等あって、みんなから総突っこみをされながらも計画は進んだ。みんながそれぞれの持ち場をしっかり認識して運ばれた。
 
 当日までピリピリしていた。二人にばれないようにタイムスケジュールが配られ、甘棠館笑劇場と居酒屋ときかわ二手に分かれて隠密行動は貫かれた。
 最後まで二人は気づかなかった。バレテもしかたない状況は数多くあったにもかかわらず、気づかなかった。おめでたい人に、神はおめでたい会を準備する。

 二人がかんなの琴線に触れないように(かんなは随分てんぱっていたらしい(笑))気を使いながらときかわの二階のふすまを開けたその瞬間
 「おめでとー」の大合唱。
 
 こうしてサプライズパーティは成功した。その他、忙しい中、かりん、鴈治郎、つき菜母、現役、現役の友人、マダム樋口等々駆けつけてくれた。若蔵さんからもメッセージが届き。栄歌さん、無眠さん、もう一人天狗連からの画像も届き、14歳最年少会員のアスリート受験生つき菜からもメッセージが届き、ソウルからこえびまでメッセージが来てた。驚いた。(つき菜には、まだこの手の遊びは刺激が強すぎる〈R15指定〉ので敢えて出席を求めてない。冷静な母の判断。怒ってるかも知れない(笑))
 
 時間をかけて、ゆっくり企画を練りに練って、途中テンションを上げながら、最後にイッキに爆発する。Hに似ている(笑)。ホントだから仕方ない。しかも終わったら静かに後かたづけするだけ。エクスタシーは冷める。

 二人が、二人の60年間のお祝いだけのために作られた部屋に入場しているとき、勘朝の頭には『スカイハイ』が流れていた(笑)。ホントに。
 ほとんど感動しない勘朝が感動した。
 感謝状を読み上げてるとき、熱いものがこみ上げてきて隠すのに困った(笑)。
 
 途中別のサプライズもあって、みんなも驚き私も驚いた。

 学生達は、自分たちの親より年上のいい年したおっさんおばさん達が、一生懸命遊び倒す姿を見てどう思っただろう。バカの集団と映っただろうな。
 でも遊ぶのがいかに高尚な行動かいつか気づく時が来ると思う。気づかなかったら、つまらん人生をおくっているだけのこと。凡人になるもならないも本人次第。

 もし、その時ときかわでテロが起きて、全員同時にあの世に行ってたら、福岡のアマチュア落語は50年間後退していた。落語の頭脳が集結していた。役にも立たない頭脳が(笑)。 

 『小きぬ・勘米還暦祝いパーティ』は、小きぬさん・勘米さんの為にあったのではない。内浜落語会関係者全員のためにあった。それに気づかせてくれたのが二人。感謝合掌。(笑)。
 遊びをせんとやうまれけむ。

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2009年08月10日 16:55に投稿されたエントリーのページです。

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