壽楽さんの『夏どろ』の稽古をしているとき、耳慣れない言葉が出てきた。
それが「蚊いぶし」
「蚊をいぶす」の動詞が「蚊いぶし」の名詞に変化した。
初めて聞いた時何の事を指しているのか解らなかった。
稽古していてようやく、蚊取り線香が無かった時代、そういう道具があることを知った。
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シネラで「映画の中のこどもたち」という特集があっている。
1940年『風の叉三郎』。戦争中の映画。
昔の子どもたちの風俗がうまく表現されている。
そんな中でなんと「蚊いぶし」が出てきた(驚)。
金属製のお鉢の中で除虫菊(じょちゅうきく)を乾燥させたモノを燻(いぶ)している。
壽楽さんとの稽古が無かったら、何の道具が解らないまま通り過ぎていた。
落語にしか残されていない言葉。素敵。