人生には急激に成長する時期がある。
いわゆる「成長期」というヤツ。
出生直後の24カ月と、12歳から15歳頃の第二次性徴期。
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芸事にも突然上手くなる時期がある。
今回「逸の城」を観ていると納得できる。
場所中でさえ、成長していた。雰囲気がそれを増幅していく。
落語にも急激に上手くなる時期がある。
6代目円生は落語協会を脱退した頃、滅茶苦茶上手くなった。まさに神の領域。
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微弱だが、我々にもある。
もうやがて40年を越えるウチの歴史で、連中を視ていると上手くなる時期に気付く。
勘楽もあった、勘也もあった、そして今回勘心にそれをみた。
一月とたたないのに、上手くなっていく。
ただ、上手くなってる時期、本人はあまり気付かない。周りだけが驚く。
恐ろしいのは、上手くなる時期は二度ないということ。
おそらく、誰にでも一回は来るのだろう。円生師匠は二度来ている。極めて例外。
もっと怖いのは、一回も来ない不運なこともあるかもしれない(ということ)。
稽古量さえ多けりゃいいってもんじゃない。小学生の音読は回数重ねた方が上手い。
その論で行くなら、時間かけた者が一番うまくなるということ。
長生きした者が一番うまくなる。そんなバカな話はない。
上手くなるチャンスは二度ない。それをモノにした者が評価される。褒められる。
褒められた経験がない。というのはチャンスをモノにしたことがない。
伸び盛りに、ボーっとしていたということ。間違いない。