1950年。東宝。黒沢映画『羅生門』。
文芸作品の色合いが濃くて、敬遠されがちだが、大丈夫。娯楽性も加味してある。
何と言っても、京マチ子・三船敏郎・森雅之・志村喬・千秋実の演技につきる。中でも京マチ子か。
ヨーロッパ人が驚いた。
制作会社の当方も驚いた。こんな作品に莫大な資金をつぎ込んだ黒沢を譴責処分にしようとした頃、ベネチアで金熊賞の外報が入った。
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今ではこの撮影手法は手垢が付いてるが、当時は前衛だった。
役者がいいから作品にスキがない。
黒沢を有名にした作品。
ところが黒沢の才能はここにとどまらなかった。これから続々発表する。