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善意の無視

 大勢の人で混雑する中、気を失ってバッタリ倒れた方がいた。
 人だかり。

 物見高いは人の常。
 ざーっと人の好奇の輪が広がる。野次馬。写真を撮ってるバカもいた。

 無視するという行動がある。
 善意の無視。
 気を失った方、家族の立場を考えたい。
 もちろん救護しなければならない立場であれば必然的にそれに当たりたいが、たしなみとして、敢えて無視する行為もある。

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 もう25年も昔。
 連続猟奇殺人事件の少年の写真が某週刊誌に載った。
 
 未成年の写真を掲載する。
 事件があまりにショッキングだったため、週刊誌が掲載した。
 その号は売れまくった。

 それを買わなかったし、見なかった。好奇の目はあったが、敢えて見なかった。(主語:私)
 出版社に乗せられて、愚かな野次馬になるのも「卑」か、と考えた。

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 「落語は野次馬根性じゃないか。」(主語:一般)。
           と反論されそうだが、
 落語の野次馬は「粗にして野だが、卑ではない。」(主語:私)

 『粗忽長屋』の熊さんは写真は撮らない。
 たとえ写真機持ってても撮らない。
 『粗忽長屋』はそんな安っぽい料簡ではない。
 そんな了見で『粗忽長屋』を演ると、下卑た噺になる。

 ここら辺りが妙に難しい。そして、味わい深い。

 (当時、くだんの週刊誌をわざわざ買って、ご覧になった方には失礼。
 今後この日記を読まないほうがいいです。価値観の違いで、腹がたちます。)

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2014年06月01日 17:31に投稿されたエントリーのページです。

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