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暴論

 今年のセンター入試に「小林秀雄」の『鍔』が出た。と評判になった。

 高村薫がこれに噛みついた。
 ボロクソにけなしていたので『鍔』を読んだ。なるほど。これは高村薫の勝ち。

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 小林秀雄が生きてる時、現役の高校生だった。
 ひどい目に遭わされた。
 
 まったく理解できない。

 現代国語が理解出来ないんだから、余程バカなんだろうと自己評価してた。

 最近そのカラクリに気付いた。

 自分かバカなのではなく、小林を持ちあげてる連中の姑息な罠にかかってただけ。
 (ワナにかかるだけでも十分愚かなんだけど。)

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 学者の使命は、わかりにくいことを、大衆に解りやすく伝えること。
 解りにくい表現が出てきたら、書いてる学者が愚バカだということ。
 
 難しい事を誰にでもわかるように説明できるプレゼン力(りょく)が学者の使命。

 で、小林信奉者は飛躍する。
 小林秀雄の文章が飛躍と朦朧曖昧の世界だから仕方ない。

 古くは丸谷才一から、新しくは高村薫からもこき下ろされた。

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 【言語ゲーム】を唱えたのはヴィトゲンシュタインというおっさん。
 ここまで遡れば、小林信奉者の暴論のパラダイム(型枠)が見えてくる。

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 笑えるのは小林秀雄が古今亭志ん生に心酔していたということ。
 彼のCD音声を聞くと、あまりに志ん生に似ているので驚く。
 勘朝、お前は小林講演を聴いたのか!
 そう、私は小林秀雄を何回も聴きました。『本居宣長』も『古事記論』も『なんとか柴のき』も聞きました。ウチのライブラリーのどこかに紛れ込んでるかもしれない。
 
 そらぁ志ん生の『二階素見(にかいぞめき)』のほうがイイ、しかも深い。

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 センター入試に志ん生の『お直し』を出して見ろ!
 
 そこまでの気迫は文部官僚にはない。
 だから、ダメだっての。

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 といった、私の論が、暴論だという、オチ。
 これから入試を迎える者は信じちゃいけない。絶対点数にならない。ただ、生きる力にはなる。

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2013年10月28日 19:48に投稿されたエントリーのページです。

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