◆今回はショートショート風◆
A君は6年生。
理科だけは担任の先生ではなくE先生。
そのE先生は、常日頃からおかしなことばかり言っている。
その中の一つ
「交通事故にあって轢かれてる動物を見つけたら、教えてね。」という言葉。
何の理由があってそんなこと言ってるのか知らないA君。いつものようにあわてふためいて、横断歩道を渡っていると、小さな毛皮が落ちているのを見つけた。よ~く見ると、たった今交通事故にあったばかりの、生き物。
恐くて近づけなかったけど、とっさにE先の
「交通事故にあって轢かれてる動物を見つけたら、教えてね。」を思い出した。
「先生に知らせよう。」
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E先生はいつものように、朝の理科室で一人6年生の授業の準備中。そこに飛び込んだAくん。
「せ、先生!たった今交通事故を見つけました。」
「えっ!交通事故!」
「そうです。」A君の声は上ずってファルセットがかかってます。
「それ大変じゃないか!誰か大人の人は?救急車は呼んだ?」
「誰も来ません。」
「校長先生か教頭先生に言って。」
「先生はいつもネコか、犬が轢かれたら教えてって言ってるじゃないですか!」
「あー、そっちね。ほっ。」
ようやく話のつじつまが合ったA君とE先。
(続く)