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『赤いハンカチ』

 「ベタな演技」という表現。
 元々、演芸界で、「誰もが通りいっぺん。工夫のない。」といったような表現のこと。

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 例えば、

 18歳の少年(出来ればほんの少し崩れてる)が、海岸の夕日に「バカヤロー」と言って石を投げる。

 32歳の専業主婦が、夫以外の男を好きになって、その夜夫から迫られて、「よして。」と言って寝返り打つ。

 だとかの演技が、ベタな演技。

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 ここまで芸人団(プロ)と、素人団(アマ)の境目がなくなると、ベタな演技はパロディになる。

 そこのパロディをねじ伏せることのできるプロが、石原裕次郎。

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 本文までが長かった、小〇治師匠のマクラみたい。

 裕次郎の凄さをまだ理解出来ないけど、ベタな演技をどれだけ演っても、納得させられる。

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 『赤いハンカチ』(日活 1964年)

 客の知能指数を嘲笑う「ベタ作品」。
 だけど、裕次郎が演るとさまになる。

 【裸ギター持って港を歩く】奴なんて、世界中どこ探したっていない。

 【ベットに横たわる20代の浅丘ルリ子】の上で、「今は君を抱けない。」なんてバカはいない。

 でも、裕次郎が演ると、客全員を納得させられる。

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 労働者も、ヨーマンも、農奴も、ブルジョアも、セポイも、インテリも、全部かっさらって行く役者。
 それが裕次郎。

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 早死にするはず。

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2013年09月17日 18:28に投稿されたエントリーのページです。

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