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祝イプシロン

 今年の夏、ロケット打ち上げ現場に二回行った。

 野次馬根性・好奇心旺盛・現場経験主義。思いついたらあれこれ考えるより、即行動。

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 1回目8月上旬、種子島。
 種子島に着いたはいいが、打ち上げ前日の宿が一軒も空いてない。キャンプを張る体力もなく、諦めて屋久島へ。無計画ぶりが露呈。
 ロケットオタクらは、野営覚悟。

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 2回目8月末の内之浦。

 内之浦という所は、半農半漁のちいさな町。行きつくには二つのルートしかない。
 また、この道が細い。
 そこに全国から見物客が集まるから、並みの渋滞じゃない。

 バイクの特権を利用して最前線へ。
 ただし、ロケット打ち上げを直接見えるところは最前線にはない。
 直接見えるのは、一カ所。ココは抽選で幸運な者だけに許される。

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 3分前に、打ち上げ予告の花火が上がる。
 60秒前からカウントダウンが始まる。
 8・7・6・5・4・3・2・1・0・・・・・・・・・・・・・・・・?

 微動だにしない数万人の客。かたずをのんで見守る空。しわぶきひとつ聞こえない。
 数分過ぎたころ、動揺が広がる。
 設置されてるスピーカーから

 「本日の打ち上げは中止されました。」

 数万人同時の落胆。落胆も数万人同時だと結構なネガティブエネルギー発散になる。

 日本人の冷静さを感じた。
 これがアラブや台湾の国会なら間違いなく投石乱闘もの。

 全員、うなだれて、すごすごと帰っていく。子どもは泣いている。
 お父さんの権威は奈落。

 そこに大渋滞が追い打ちをかける。
 打ち上げ成功なら意気揚々と大渋滞に立ち向かえるが、うなだれ大渋滞は疲労度がます。

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 しかし、こと落語を志す者は、こういったオチを堪能する屈折した感性を、失わない。
 片方でJAXAの大失態を楽しむゆとりがある。天才集団でもしくじる。


 また、数万人のヒトが一度に落胆する姿はそうそう見られるものではない。

 打ち上げ成功で歓喜に溢れる大群衆より、数万人総うなだれは何度でも笑える。
 かえってこちらの方が滅多に見られない。

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 で、今回。見事成功おめでとー。おとうさんの権威は復活したかな(笑)。
 ロケットは父性権威のメタファーだもんね。

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2013年09月16日 08:40に投稿されたエントリーのページです。

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