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『炎のランナー』

 リバイバル。
 ロードショーから、ゆうに30年過ぎている。

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 オリンピックに反対している立場上、オリンピックを話題にすることすら、禁忌。

 実は20世紀少年達は皆一様に、オリンピックについて語れる。多感な時期ソレを糧として成長してきたから、
 だから、今のオリンピックの腐敗を嘆いている。

 古代オリンピックに対して、近代オリンピックという言葉がある、ここで、旧オリンピックとして表現する。

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 『炎のランナー』
 は旧オリンピックの矛盾をモロについている。

 旧オリンピックは差別の剛速球だった。
 アングロサクソン貴族の、矛盾したアマチュア精神に貫かれている。

 旧オリンピックに女性・有色人種・イスラム・アラブ・障害者・は出場できない。
 
 つまり、強者の理論で成り立っている。

 ところが、かろうじて日本は出ている。欧化政策をとって、近づこうとした努力を買われた。
 英国王室やオランダ王室、スウェーデン王室に愛でられていた背景がある。
 天皇家のヨーロッパ王室詣ではその名残。納得させられる事実。

 そして、日露戦争戦勝国としてご褒美だった(と思う)。

 その頃も、今も、ロシアは非差別待遇。
 だから、プーチンは強硬。

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 『炎のランナー』を観るとその辺りが結構正直に描いてある。

 パリオリンピックやベルリンオリンピックのポスターを見ると気分が悪くなる。
 文庫本の『愛と幻想のファシズム』村上龍の表紙になってる。ヒトラーが好みそうな哀れなポスター。

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 作品としては、結構な出来なのだけど、背景は醜悪。

 観なきゃいいんだけど、いい出来であることには違いない。

 映画観ぃの屈折。

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2013年07月03日 21:44に投稿されたエントリーのページです。

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