ハガキのやりとりをしていると、そこに万年筆のディープな世界があるのを知った。
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大学生の頃、論文書きを強いられて、【水性ボールペン】に出会った。
論文書きに水性ペンは最高だった。伴って、修正インクも登場した。
実に使い勝手が良かった。
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文具界は日進月歩の世界で、30年ほど昔、ぺんてるから【ぼーるぺんてる】が発売されて、すごくしっくりきた。
その後、水性ボールペンが次々出てきて、万年筆は駆逐された・・・かに見えた。
【文豪】【書院】【一太郎】【word】等々のワープロ登場で筆記用具そのものが駆逐され、万年筆なんて、絶滅したと思ってた。
ところが、ひっそりとしぶとく生き残ってた。サンショウウオのようにせせらぎの岩陰に生き残ってた。少数民族のように肩を寄せ合ってた。
で、とてもディープな世界になっていた。
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中学コースのおまけに付いてくる、「セーラー万年筆」もあるのだろうが、棲み分けしている。
で、高い万年筆で文字を書くと、これが気分がいい。
無理して書かされた論文と違い、文章が紡(つむ)がれる。
向田邦子もさもあらん。といった世界。
出費が大きければ、大きいほど高価な文字に見えるから不思議。
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そこそこの相手には、そこそこの万年筆。
丁寧に書いたハガキが理解できる相手には、高い万年筆で(笑)。
どうでもいい連絡には、ワード&プリンター。
もっと、どうでもいい相手にはメール(失礼)。
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ますます、御隠居さんになりつつある。
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近いうち、墨でもすろうかと思ってる。
人はこうやって、老獪になっていくのだろう。