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アナログ進行 4

 ハガキのやりとりをしていると、そこに万年筆のディープな世界があるのを知った。

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 大学生の頃、論文書きを強いられて、【水性ボールペン】に出会った。
 論文書きに水性ペンは最高だった。伴って、修正インクも登場した。
 実に使い勝手が良かった。

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 文具界は日進月歩の世界で、30年ほど昔、ぺんてるから【ぼーるぺんてる】が発売されて、すごくしっくりきた。
 その後、水性ボールペンが次々出てきて、万年筆は駆逐された・・・かに見えた。
 【文豪】【書院】【一太郎】【word】等々のワープロ登場で筆記用具そのものが駆逐され、万年筆なんて、絶滅したと思ってた。
 ところが、ひっそりとしぶとく生き残ってた。サンショウウオのようにせせらぎの岩陰に生き残ってた。少数民族のように肩を寄せ合ってた。

 で、とてもディープな世界になっていた。

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 中学コースのおまけに付いてくる、「セーラー万年筆」もあるのだろうが、棲み分けしている。

 で、高い万年筆で文字を書くと、これが気分がいい。

 無理して書かされた論文と違い、文章が紡(つむ)がれる。
 向田邦子もさもあらん。といった世界。

 出費が大きければ、大きいほど高価な文字に見えるから不思議。

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 そこそこの相手には、そこそこの万年筆。
 丁寧に書いたハガキが理解できる相手には、高い万年筆で(笑)。

 どうでもいい連絡には、ワード&プリンター。
 もっと、どうでもいい相手にはメール(失礼)。

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 ますます、御隠居さんになりつつある。

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 近いうち、墨でもすろうかと思ってる。

 人はこうやって、老獪になっていくのだろう。

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2013年05月29日 19:09に投稿されたエントリーのページです。

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