S病院の見事さに、唖然とする。
いたれりつくせり。
職員全体にサービス精神が貫かれている。
横柄な口をきく窓口も、看護師も、権威の白衣で威圧する医師もいない。
医者と客は同じランクの椅子。
壁は本物の花崗岩に石灰岩。化石ウオッチャーが大喜びする。
調度品も偽物はない(と思う)。
グランドピアノは例のメーカー。李朝壷や時代がかったチャイナテーブルが平然と置いてある。
既存病院とSとの違いは、国鉄とJRの開きがある。
客はサービスにお金を払ってる。
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「S病院になら入院してもいいか。ただし、差額ベッド代は高いだろうから、大部屋で。
大部屋はそこいらの病院と同じだろう」
と思ったら、大きな落とし穴。
大部屋はない!
全室個室。ゴージャスな金持ち専用の究極病院。
『おしゃれな入院』を創作した時、究極の病院をイメージして創った。
まさかホントに出現すると思わなかった。
聴きたくなったら、S病院へ見学にどうぞ。もう落語にならない。