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生命体における、インプットとアウトプット

 面倒なタイトルだが、これ以上言葉をそぎ落とせない。

 生命体は、有機物質のインプットとアウトプットで、循環しながら電池なしで動いてる。
 【電池なし】で動くということが非生命体からすると、奇跡に等しい。

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 談志師匠が作った、名作小咄。

 おもちゃ売り場に子どもがやってきて言いました。
 「カブトムシが死んじゃった、電池交換して。」

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 この小咄は、生物学の核心をついてる。
 生命体はエネルギーを再生産しながら(インプットとアウトプットを繰り返しながら)生命活動を循環させてる。

 【生きる】ことは、エネルギー発生そのもの。
 名画『2001年宇宙の旅』と『マトリクス』は、生命体が発するエネルギーを利用した、プログラムの自発的な活動に眼を付けた、作品。
 この深さに着眼すると、この映画の面白さは20倍になる。
 生命活動の有機活動を、プログラムという無機活動がコントロールする恐怖。全宇宙で46億年間起きたことがない。

 無機活動は【意志・意図】を持たない、インプットとアウトプットをコントロールしない。
 【意志】:あることを行う積極的な気持ち。
 【意図】:実現するように心の中で狙ってる内容。


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 文学でもこの【生きる】の核心を突いた作品がある。

 『生きる』:谷川俊太郎
 エネルギーと言う概念を、物の見事に言葉で紡いでいる。
 インプットとアウトプットの妙を言葉で表現している。【意志と意図】が満ち溢れている作品。


 自然科学を人文科学が凌駕している。
 恐るべし、小咄・映画・詩。

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2012年05月09日 20:51に投稿されたエントリーのページです。

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