打ち上げに、二人の師匠と、お弟子さん一人がいた。
落語家さん達は、大家族。
全員が落語長屋の住人。
兄弟と親子と孫、親戚で構成されている。
素人は決して入らせてもらえない。
住まわせてもらうために、全員厳しい前座修行を越えられる。
素人は、首相官邸に住むことは出来る。皇族になることも出来る。
しかし、落語長屋には、生涯住めない。
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落語長屋にだけ通用する言葉・符牒がある。
傍(はた)で聴いてて、「???」となる。
ご自分らは通じてるけど、素人には異国語でしかない。
こえびがハングルで韓国人としゃべってる。
手話を習ったばかりの小学四年生が、手話で遊ぶ約束をしている。
何しゃべってるのか理解不能。そんな状況。
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打ち上げの会話の流れで、正朝師匠が、笑いながらも、厳しく問いただした。
「それでお前、かいたのかよ!?」
通訳は出来るが、使えない。使っちゃいけない。
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時々、素人が【かぜ】【だるま】等々の噺家さんの符牒を使ってるのを耳にする。
半可通で、はなはだみっともない。
落語長屋の住人になれなかった者のコンプレックス。
ずーーっとひきずってる(涙)。