« 『キンシャサの軌跡』2 | メイン | 『ミッション インポッシブル ゴーストプロトコル』 »

始末書、一歩手前。

 成功談なんて、聞いてもちっとも面白くない。人の話は九割自慢話。

 失敗談の方が面白い。

 ------------------------

 初等理科教育から、【水素】がなくなった。全国で水素実験で失敗が相次いだから。
 
 化学反応の恐ろしさに、子どもも教師もビビった。

 爆発教材は初等教育はもちろん、中等からも高等からもなくなった。
 で、理科教育が面白くなくなった。衰退。


  -----------------
 今日の本題はここから。

 見事にしくじった。
 「水素の爆発なんてたいしたことはない。」と慢心してた。
 水素を発生させて、ペットボトルで燃やせば、小さな爆発してチョン。

 水素:酸素=2:1。このゴールデン比率は全宇宙の骨格をなす。
 この比率は爆発のすべての条件を満たす。
 急激な体積膨張・発熱・発火・爆音。

 理科指導者の腕の見せ所。
 10mの塩ビ管に、黄金比率気体を注入。電極入れて発火。
 火が走り、手に爆発の体積膨張の圧を感じ、聴覚を刺激する。
 ところが、電極突っ込んで着火しても、2回連続爆発しない。
 無反応。子どもたちがじれる。


 科学の基本【再現性】。誰がどこで、演っても同じ結果が出る(はず)。
 爆発しない。
 「アレッ???????」
 何故?

 「気体の比率が違ってたかな?」
 ビニル袋に残ってる2:1気体に、発火電極突っ込んで着火。

 ドカン!!!
 轟音を上げて爆発。

 0.1秒。バレーボール大の火の玉が見えた。

 上の階で授業していた教員。教務主任。らが血相変えて飛び込んできた。

 一歩間違えば、今日の夕刊に載ってた。

 幸い、窓を開けてたから理科室ガラスはとばなかった。密閉されてたら一番薄いガラスを突き破って気圧は逃げる。
 ガラスが割れてたら、始末書。間違いない。
 始末書はとても大変。一度書いたことがあるが、3カ月かかる。書き直しの連鎖。


 水素爆発。原発だけでなく小学校の理科室でも起こる。

 泣きだす子、瞳孔を精いっぱい広げてる子。我を忘れて歓声を上げる子。
 帰り際に「だから、私、理科好かんッちゃんね。」怒る子。

 五感を揺さぶる授業。喜怒哀楽が噴き出す授業ってのは、こんな授業。


 スレスレ。あぶねー。

 転んでもタダ起きない。とても面白い実験を考えだした。それはヒミツ。でんじろう先生にパクられる。

About

2011年12月15日 19:17に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「『キンシャサの軌跡』2」です。

次の投稿は「『ミッション インポッシブル ゴーストプロトコル』」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.32