25年ほど前。酔っ払って転んで、右足を骨折した。松葉つえついて、ギプスを嵌めて仕事に行ったことがある。
朝から、会う人会う人、
「どーしたんですか?」と尋ねられて、いちいち説明するのが面倒で、往生してた。
そんな中、パンチの利いたセリフをくれた奴がいた。
「どうしたんですか。旦那が急に帰って来たんですか?」
これは嬉しかった。
「そう。2階なら、捻挫ですんだんだけど。」
と即答出来なかったのが、かえすがえす悔しい。
当時まだ若くて、うまい切り返しが出来なかった。落語を志す者として未熟だった。
こういうのをエスプリと言う。
エスプリは45歳すぎないときかない、人生の悔しいところ。