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東北見聞録 福島編

 福島に入る前、ツーリング仲間とは別行動。彼はどうしても福島入りを嫌がった。東北自動車道、郡山で別れて、私は右に南相馬市、飯館村方面へ。連れは直進で仙台方面へ。

 原発に近づくにつれて、確実に人や交通量が減ってくる。

 直線距離50キロメートルほどの学校はすべて運動場の表土を削り取っている。
 セシウムの放射線量が計測されている。その削り取った表土はどこに捨てるのだろう。
 六ヶ所村なのだろうか。


 こっそり表土をサンプル採集。
 もっと原発中心部へ向かう。

 30㎞同心円内にあっさり入れた。拍子抜けした。葛尾村~南相馬市~飯館村。完全な無人。こんな光景は初めてみた。
 国道の交差点は点滅信号。4方向誰も通らない。交差点周辺に人家はあるが店という店、家という家誰もいない。
 
 自動販売機も止まってる。故障ではなく、ただ停止中。

 自治体が機能してない。
 ガラス屋さんも、コンビニも、工務店も、個人病院も、ガソリンスタンドも、酒屋さんも、歯医者さんも、バイク屋さんも、美容院も、衣料品屋さんも、床屋さんも、乾物屋も、生鮮食料品やも、化粧品やも、店はある。でもそれが全部閉まっている。
 人が誰も通ってない。
 異様な光景。

 『渚にて』という映画で人が全くいなくなった町を表現していたが、あんな映像はこどもだまし。こちらは本物。リアルタイム。

 火事場泥棒が出没しているのか、空き巣パトロール中の看板だけが目立つ。
 時折パトロール中の車だけが行きかう。止められて職質されるか心配したが、不審者には見えなかった。

 ライフラインと言われる、電気ガス水道が生きていても、人は社会が機能していないと、生活できない。

 もっと中心へ入ろうとしたが道路が封鎖していた。原発接近は無理だった。 

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2011年08月21日 10:05に投稿されたエントリーのページです。

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