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『バック トゥー ザ フューチャ-』

 エンターテイメント映画の最高峰。
 ロバート・ゼメギス監督。誰もが見逃しそうな小さな場面に、異様な執念を燃やす監督。
 『フォレストガンプ』観れば、その凝りようがよくわかる。

 マイケル.J.フォックスは結局この一発屋だったが、これほどの作品なら、一発屋で結構。


 3つの近接時代の旅行譚。これだけたくさんのプロットでつなぐというのは、よほど脚本の腕がよくないと出来ない。

 ダウンジャケット・スケードボード・レーガン大統領・クリントイーストウッド等々85年の頃の映画ファンを思いっきり楽しませてくれる。
 ロナルド・レーガンが3流俳優から、大統領になったネタが入ってる。
 今、その名前を知らない20代が社会進出してきている。
 その世代は『バック トゥー ザ フューチャ-』見ても笑えない。

 ただ、この映画のキモは、そんな些末事ではない。
 複雑な時間軸を行き来する物語構成。入念なキャラクター作り。マイケル・J・フォックスの嫌みのないアメリカ人気質。
 それらが時代を越えた普遍性を持ってる。だから、名画として受け継がれていく。


 20年以上前の映画なのに、前列の小学生が大喜びしていた。
 こういう映画に子どもを連れてくるお父っつあんは、とてもいい。


 20年前。日本の科学技術は。世界中から尊敬されていた。
 それが映画によくあらわれている。いい時代だった。
 日本の子供たちに、夢と誇りを与えてくれた。

 これから映画で描かれる日本は、放射能汚染の日本。
 世界中から哀れみを受けている。日本の子どもたちはうなだれている。
 希望を根こそぎ奪っていった電力会社の罪。重すぎる。


 『バック トゥー ザ フューチャ-』にでてくる、日本製品。
 トヨタのランドクルーザー
 パナソニックのデジタル時計。
 ビクターのビデオカメラ。
 Aiwaのヘッドホンカセット。
 SONYやCannonではないところが不思議。

 ゼメキスのウィットなんだろうか?Aiwaには驚いた。20年前は気付かなかった。今もAiwaの製品はあるのだろうか。

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2011年06月27日 05:52に投稿されたエントリーのページです。

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