理科室で仕事していると、保護者や子どもたちが、イロイロ珍しいものを持ってきてくれる。
今回はとびきり珍しかった。
半分白骨化した、犬の頭。
最初観たとき、紡錘型の大きなユリの球根かと思ったが、よく見ると歯や、眼窩もあり、草食動物の頭部と判断するまで、しばらくかかった。
そして、よくよく見て、犬と断定。
偶蹄目(ウシ・ヒツジ・ヤギ)特有の歯並び、角跡が観られない。
腐敗臭がなかったので、子どもが拾ってきた。
むげに捨てるわけにもいかず、骨格標本作成にかかる。
創り方は、度胸さえあれば簡単。
気長に、煮続けるだけ。家では絶対やっちゃいけない。また離婚家庭が増える。
何度も、何度も、煮たてたお湯を捨てながら、弱火で煮る。
煮汁を捨てるときに吐き気がするが、性根据えて捨てる。
脳髄の、ドロドロした、ゾル状の半固体が、流れ出るのは、なかなか壮絶。
理科室から、臭いが学校に漂わないように気を配る。理科室でこんな企みがあってると知れ渡ったら、職員室に出入り禁止になる。厳重注意くらいの処分が出るかもしれない。
子どもは、授業の度に出入りする。
ある子が「長浜ラーメンの臭いがする。」と的確に表現した。
長浜ラーメンは、まさしくケダモノを煮込んだだし汁。
しばらく、長浜ラーメンは食べられそうにない。
骨格標本をネットで出したら、売れるか。
苦労して作った標本だから半端な値段じゃ売らない。