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酔っ払いを演じる

 勘丸が小学2年生の頃。文治師匠の『親子酒』を稽古したことがある。
 稽古させる方もさせる方だが、わずか8歳で『親子酒』の稽古に臨む方も凄い。 
 どうしても、酔っ払いが出来ずに。ぶちきれた勘朝が
 「お前、大人はバカでも酔っ払うんだ。」と訳のわからないことを言って無垢な少年をいじめたことがある。勘丸はとても利発な子だった。


 酔っ払いの演技は難しい。


 今日の主題はこれから。
 酔っ払い名優は、P.ニューマン。

 三船敏郎でさえ、酔っ払いはどこか不自然。(参考『七人の侍』『酔いどれ天使』)


 P.ニューマンは数々の酔っ払い名場面がある。

 『ハスラー』では、バーボンをガンガンやりながら、瞬く間に酔っぱらっていく。

 『評決』で、落ちぶれたアル中弁護士を演じる。酒に頼るしかない演技は見事。
 ビールに卵を落として、あおるシーンが、あまりにも有名。真似してやってみたが気分が悪くなる。

 『スティング』では、劇中劇で、素面なのに酔っ払うという難度の高い酔い、を演じた。
 
 最も、秀逸なのは宿酔い(ふつかよい)のシーン。『スティング』。
 あれは、宿酔いを経験した者でないと、絶対理解出来ない。
 宿酔いの切なさ、苛(さいな)まれる物悲しさ、はお見事。稀代の名優だった。 

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2011年05月22日 22:06に投稿されたエントリーのページです。

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