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『風と共に去りぬ』

 『福岡映画サークル』、という映画愛好団体の自主映画。宣伝不足なのか、名画なのにお客は40人くらい。主催者の苦労がよくわかる。

 ビビアン・リー、クラーク・ゲーブルの代表作。
 テーマは【立ち上がる女】といったところか。

 今ならとても作れない映画。製作費だとか演技だとかといった問題ではなく、全編黒人差別で貫かれている。スパイクリー、マルコムXから焼き討ちに逢う。

 ジョージア州では、今でも上映禁止という噂を聴いたことがある。

 アフリカ系アメリカ人をステレオタイプに描くとこうなる.。絵にかいたような表現。人権問題に敏感な者ならあまりいい心地はしない。


 画中に、『KKK団』の集会が出てくる。
 しかもその集会を肯定的に描いている。70年前のアメリカ映画界は、まだ白人至上主義を認めていたということだろうか。

 もちろんあからさまに『KKK団』との表現ではないが、南部男たちの夜の非合法集会といったら、これ以外にあり得ない。しかも夜討の対象が解放された黒人集落。
 マーガレット・ミッチャムは差別的な考えから解放されてない。

 しかし、壮大な映画には違いない。
 これが作られたのは戦前で、日本公開は戦後。
 戦前に公開していれば、日本中ひっくり返ってた。
「こんな映画を作る国とは戦争して勝てるわけない。」と厭戦気分が高まってたかもしれない。

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2010年10月03日 16:50に投稿されたエントリーのページです。

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