あんまり『悪人』のことばっかり書いていると、そんなに面白い小説なのかと思われると困るが…。
ただ、北部九州が出てきて興味がわいているだけ。
映画では、長崎、佐賀、福岡の方言の違いを使い分けていた。
で、よく考えると、この映画、生粋の福岡出身者はいない。主要な登場人物は全員他県出身。みんな福岡に出てきた連中。
ツマブキ君の役は長崎。深津さんは佐賀。殺される子も佐賀。大学生は湯布院。
福岡方言の使い手はいない。舞台は福岡なんだけど。
おそらく、九州以外の方にとってはみんな同じに聞こえてる。
ちょうど我々が、奈良、和歌山、三重、大阪が同じに聞こえるように。
大阪の人は、奈良和歌山三重と一緒にするなと不満があるだろう。
我々が「佐賀と一緒にするな」というように。佐賀の人も、福岡と一緒に観られると不本意に違いない。
『悪人』。北部九州の方言を丁寧に使い分けているところも嬉しい。
ミスキャストは大学生か。