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『悪人』礼讃

 小説『悪人』が面白かった。
 荒江四つ角や野芥、三瀬峠、国道34号線、西南大学等々の知ってる場所等が出てくるので、イメージしやすい。
 映画になるらしい。久しぶりに、邦画を楽しみにしている。がっかりすることの方が多いだろうけど。

 閑話休題。
 タイトル【『悪人』礼讃】はもちろん、中野好夫の『悪人礼讃』のパクリ。
 曰く「ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにつきる。」
 けだし名文。

 そうなんだよなぁ。40過ぎた善意男性。30過ぎた純情女性。これには困る。
 この二つのタイプに共通するのは、
 『やたら感動する。』
 『呼名された時元気よく返事する。』
 『エコフェミ』
 『健全』
 『所属団体の歌(校歌、国歌、社歌)を大きな声で歌う』
 純情は15歳までにしてほしい。

 中野は「悪人というのは概して聡明な人間に決まっている。」と言いきる。


 ピカレスクにひかれる。ただし『悪人』はピカレスクではない。『悪人』に悪人は出てこない。

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2010年07月29日 06:14に投稿されたエントリーのページです。

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