小説『悪人』が面白かった。
荒江四つ角や野芥、三瀬峠、国道34号線、西南大学等々の知ってる場所等が出てくるので、イメージしやすい。
映画になるらしい。久しぶりに、邦画を楽しみにしている。がっかりすることの方が多いだろうけど。
閑話休題。
タイトル【『悪人』礼讃】はもちろん、中野好夫の『悪人礼讃』のパクリ。
曰く「ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにつきる。」
けだし名文。
そうなんだよなぁ。40過ぎた善意男性。30過ぎた純情女性。これには困る。
この二つのタイプに共通するのは、
『やたら感動する。』
『呼名された時元気よく返事する。』
『エコフェミ』
『健全』
『所属団体の歌(校歌、国歌、社歌)を大きな声で歌う』
純情は15歳までにしてほしい。
中野は「悪人というのは概して聡明な人間に決まっている。」と言いきる。
ピカレスクにひかれる。ただし『悪人』はピカレスクではない。『悪人』に悪人は出てこない。